それぞれの人の心の中にはソウルフードといわれるものがある。
例えば日本ではおにぎり、フランスではフロマージュ、エジプトではターメイヤ。
かなり、個人それぞれにちがうものであり、ものすごく遠目でみたら重なる部分もあるという微妙なところもある。
今回はそんなソウルフードの中でもエジプトのターメイヤについてです。
ソウルフードとは
ソウルフードとはいったいどんなものなのでしょうか。
まずその食材は現地で手に入りやすい素材が使われている。
外見もまったく派手ではなく、庶民の生活に溶け込んでいるもの。
ほぼ毎日たべていても飽きない、あきたかもしれないけどそんなこと通り過ぎて毎日食べてる。
その国にだけで食べられているという特徴もありますが、同じような文化圏でバリエーションを変えて登場することもあります。
もう一つの特徴は、ほんとうに日常的でありながらそれをよく食べる人にしかわからないバリエーションの世界がその内側には広がっています。
お店による個性がおおきいとか、お店の数がおおいから選択肢も増える。
エジプトのソウルフードの一つにターメイヤがあります。
サイズは手のひらより少し小さめで、外見はちょっと焦げがきつめのコロッケといったところです。
食べるときにその少し黒い茶色の丸いものをパカッとあけると、鮮やかな緑いろが目に飛び込んでくるのが特徴です。
エジプトのターメイヤは家ではつくらない?
エジプトのターメイヤは朝、朝食用に、近所の角にあるターメイヤの専門店に買いに行きます。
専門店とはいいながら、風情は日本のたこ焼きやさんよりももっとこじんまりとしたとても小さな場所で作られていることが多いです。
大きな火に鍋がかかっていて、油のなかにターメイヤの種を流していきます、揚がるたびに買いに来たお客さんがアツアツを
クルリと丸めたコーン型の紙の中に欲しい数だけ注文してもってかえります。
コーン型の紙のなかにコロコロと入れられたターメイヤは転げださないように、コーンの空いているほうの口をしっかりしめて
持って帰ります。
家にかえると、そのままお皿の上に紙のままおいて、開いてたべることが多かったような気がします。
お店によっては、トルシーといわれるお漬物が小さなプラスチックの容器にいれて売られています。
エジプトのターメイヤの食べ方
エジプトのターメイヤはアエーシといわれるピタパンの一種と一緒に食べることが多いです。
パンを少しちぎって、小さいターメイヤをもっと少しちぎって一緒に食べます。
ターメイヤは揚げ物なので揚げたてが香ばしくておいしいです。
すこしスパイシーなので気を付けないと食べ過ぎます。
アエーシを半分にきってそのポケットのように空いている部分に2~3個のターメイヤをコロコロといれて、サラダをそのうえにおいて、即席ターメイヤサンドをつくることもあります。
アエーシのポケットの中にいれたターメイヤをパン生地の上から少し押すのですが、シャクッっとターメイヤが崩れる音します。冷えているターメイヤは音がしません。
日本でターメイヤを作る場合
ターメイヤの作り方はいろいろと書いてあるのですが、エジプトのターメイヤとは一点違うところがあるのは入れるスパイスの種類かもしれません。
エジプトのターメイヤには コスバラ(コリアンダー)が入っています。
そのほかにもいろいろと入っていますが、コスバラは外せないと思います特にコスバラハドラ(生のコリアンダー)
はターメイヤのあのハットするような緑いろを出すのには不可欠じゃないでしょうか。
乾燥の豆を一晩ふやかしてそれを使うのがエジプトでは多かったと思います。日本のレシピでは緑色のソラマメを使っていることが多いです。
編集後記
エジプトに旅行へいったことがある人はかならずこのターメイヤを食べるようです。
そして日本のエジプト料理店で懐かしいと思って注文するけれど、「何かが違う」ということを感じるそうです。
いったい「何が違う」のでしょうか。食べたときの空腹感かもしれませんし、材料そのものが違うのかもしれません。
エジプトのターメイヤ屋さんのターメイヤもお店によってかなり味がかわるのです。お店の人が独自のレシピをもってたり、作り手がエジプトの地方出身のひとだったり、シリアの人だったりするだけで味が違うといいます。
こちらにレシピを一つ載せておきました。(アラビア語です)